修理再生メンテナンス
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11.292012
家具リペア ジョージナカシマの家具縲鰀
色々な家具を修理再塗装しましたが、こんな有名デザイナーの家具と
修理で会う事になるとは思いませんでした。いつ作られたのか、この家具を使っていた人は大豪邸に住んでいた方という
ことは分かってますが、おそらく1980縲怩P990年の日本が高度成長期に
あった頃だと想像できます。デザイナーのジョージナカシマもちょうどこの頃に亡くなっており
実際には日本の桜製作所で製造されたものでしょうから
基本的なデザインは踏襲されていたのでしょう。あとはその時使う材料によってディテールは決められ
まさに「自然との調和」から生まれた家具だということが分かります。節もあり、木の皮もあり、いっさいの対称性が無い、この家具のどこかに
作った職人とデザイナーのお仕着せではない暖かみのこだわりを感じます。残念ながら本日引き渡しましたが、許されるなら使ってみたかったですね。
(まぁ金額が金額なので怖くて使えませんし、預かりものなのでそれは無いですが。)自分もある方の「名作」と言われる椅子を愛用しています。
見て一瞬にして心奪われた椅子で本当に大切にしています。
手の当たるところは飴色にツヤがでてきて、シートは若干擦れて傷がつき
自分のおしりの形にアタリがついてますが、たぶん一生使い続ける家具の一つ。
なんでもない毎日の中で、この家具と一緒で良かったと思えるような
家具と出会えるって素晴らしい事だと思います。
あの会社に作ってもらって良かったと言われる家具メーカーをこれからも目標に。 -
10.132012
家具リペア チェスト タンスの再塗装
タンス(チェスト)の修理再塗装のご依頼がありました。
まずはどんな状態だったのかを写真で。
タンスのシールって懐かしい感じしますね。
ここにも何かが貼ってあった痕跡が。
全体的に木部が動いてきている。(経年変化で仕方ないと思います。)
角がぶつかったのでしょうか。塗装が剥がれて下の木部が見えています。
正面から見ても全体的に当てた傷が目立ちますね。
元々の色、「真っ白ではなくてちょっとクリーム色っぽい。」
というご要望に合わせて、下地はとにかく白で傷を隠していき
最終の仕上げ塗装で1%程度の隠し色をまぜて塗装。こんな感じに仕上がりました。
ハンドルも全て新しくしました。
もっとも穴のピッチが決まってたので選択肢は限られてしまいましたが。目立っていた傷もこの通り。
優しい感じの微妙な色合いも出てますね。
このタンス、よく見たら同じ静岡のメーカーが作ったものでした。
正直なところ。
家具のリペア(修理・再塗装)というのは料金がしっかりと掛かります。
新品から塗装するのはまだ楽なのですが、リペア塗装の場合は
まず、今の塗装をいったん剥がす必要があり、新品を塗装するよりも
時間が三倍はかかってしまうからです。安い家具が店頭にいくらでもある今の世の中
同じ収納力だけで考えたら、新品を買うという選択もありますから。けれども、持ち込まれる家具の再塗装にはそのようなお金に換算できない
なにか特別な思い出、想いがいっぱい詰まっていて
買えるかもしれないけれど、もう一度使いたいという気持ちが一緒についています。今回のタンスもお届けしてとても喜んでいただけました。
もちろん、喜んでいただけたことで、こちらとしても大変嬉しい仕事になりました。
新しく買うという選択もありますが
もし、もう一度使ってあげたい特別な家具ならば
修理・再塗装してみてはいかがでしょうか。 -
7.72012
家具の再塗装について。
そう頻繁にある仕事では無いのですが、現在3件の家具の再塗装の仕事をしています。
(見積もり中も1件ある。)一つは古い鏡台の再塗装。
一つは古いリビングテーブルや椅子の再塗装。
そして、古くは無いけれど塗り替えご希望のための再塗装。どれも時間と手間を掛ければ、新品とまで言えなくても
また新たにこれからも長く使ってみようと思えるような仕上がりになりそうです。そしてどの再塗装にも言えることは、「新品を塗るよりも難しい」ということです。
まったく無塗装の木地から塗装をするのは、色の調合さえ間違えなければ
もうすでに何十年も家具塗装をしてきたウチの会社にとって
目をつぶってまでは言わないけれど、いつもの日常の作業です。しかし。
再塗装となるとまったく別物。なぜかというと、下の素材が何でできているのか、塗装は何塗装なのか、
塗装方法が分かったとしても、何の塗料を使ったのか。
未知な部分があるからです。塗装というのは1回で終わるわけではありません。
素地を研磨して調整したり、塗幕を強くするために塗り重ねをして
何回も工程を重ねて最終仕上がりまでもって行きます。その時に一番大切なのは、次の工程の塗料がいかに密着するか。
この密着度が低いと、塗装不良を起こしてしまうからです。
塗料にも相性があって、お互いに親和性の高い塗料を使うのがベスト。
塗り直しの場合、今付いている塗料が何なのか分からないので
どうしても剥がす作業から入ります。塗るよりも時間が掛かるこの剥がす作業。
パーツでばらせる家具ならまだ作業性が良くても
完成して組み立ててあるモノは手作業が主体となって、とにかく時間との戦いです。そしてその剥がす作業の出来次第で完成したときの仕上がり感を左右するので
塗る以上に剥がす作業が重要になってきます。まぁ、でも、そうは言っても、塗り直して届いたときの、まだ見たことの無い
「わぁ!」っという驚きと、塗り直してもらって良かったというメールをいただく事で
今回もまた喜んでもらえるだろうという想像でコツコツと作業してます。今お使いの家具をもう一度きれいにして使い続けたい。
多少コストは掛かりますが、大切な家具ならば、特に思い出の詰まった家具ならば
再塗装してみる価値が十分にありますよ。金具が壊れていたり、鏡が腐食していたりとか、新品にパーツを入れ替えることも
再塗装と合わせて出来ることもあります。写真をメールで送っていただき、サイズや今の状態などをある程度お聞きすることで
まずは可能かどうかという判断ができます。なにも新しい家具を売ることばかりが仕事ではありません。
古い家具をもう一度再生するお手伝いも、関本家具装芸の仕事の一つです。 -
1.142011
家具再生~鏡台の修理~
お得意様から「古い鏡台の修理(再生)をしてもらえないか」と依頼がありました。
送られてきた画像はこんな感じ。
とても良い仕事で、確かに捨てるにはもったいない鏡台。
古い家具で一概に言えるのは、
1.今よりもよい材料で作られた家具が多い
2.職人さんの腕の見せ所が多く、工芸品に近い
3.本物の材料で出来たものは再生が可能な場合が多いきっとその当時、安くない買い物だったと思いますが
今のコスト優先で作られた物よりも、本物の材料と確かな腕で
作られた物は、長く使うことで結局安い買い物になると
いつも気が付かせてくれます。
全体的に痛みが多い。
ツマミも途中で換えてあるし、台輪も取れてしまってる。
鏡も腐食して曇ってしまってる。鏡枠もかなりの痛み。
象嵌もかすみ、キレイな面材もところどころ取れて無くなってる。実は去年のうちに納める予定が
ちょっと予定が遅くなり、結局年が明けての納品になりました。修理が終了した状態です。
どうですか?
引き出しもキレイに直ってるでしょ?
鏡も新しくし、古い塗装は全て落として完全なる再塗装です。象嵌もこの通りはっきりと浮かび上がりました。
面材も付け直し、取れていた台輪も新しく作り直しました。ツマミも黒にすべて新調。
いかがですか?
古い家具は思い出の詰まったものが沢山あります。
以前も
「亡くなったおばあちゃんが使っていた鏡台を修理して」とか
「古民家の古い駿河箪笥を玄関のオブジェに変えて」という修理を受けました。
思い出を残しながら新しくすることでまた使い続けられる物が沢山あります。新しいものを手軽に安く買うよりも
古い家具を手直しすることで、家具との距離感がまたぐっと近くなる生活方法。
地球に優しいとは、省エネで作られた物を買うことじゃなく
使えるものを使い続けることの方が大切だと思います。
そして、良い家具はずっと残していきたいですね。 -
4.132010
家具の修理。
特注家具・オーダードレッサー の問い合わせに次いで多いのが
「家具の修理・リペア・再塗装」 です。
ちょっとキツイ言い方のようですが、安く済ませようと思うのなら
新しい物を買ったほうが安いです。なぜなら、こんなデフレの世の中、機能だけで選ぶなら
際限なく安いものが見つかります。千円でお釣りがくるジーンズを見て驚かなくなる世の中ですよ。
だから、家具も「どうしてもこの家具を使い続けたい。」
そういう物じゃないと、修理や再塗装してまで
使い続ける意味が薄らいでしまいました。「地球環境のためゴミを出さない」とか。
「おばあちゃんから譲ってもらった鏡」とか。
もし、どうしてもこの家具を使い続けたいという物があれば
もちろん遠慮なくご相談下さい。(できれば写真付きで。)今まで使い続けた時間の経過も考慮して、同じ時間をこれからも使ってもらえるように
新しいものでは得られないような気持ちを、キレイになった家具に付けて
届けたいと思います。「修理をお願いして良かった。」
そんなリペアや再塗装はたくさんしてますよ。