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2.62019
修理再生 ダイニングテーブルと椅子 再塗装・リペア・張り替え
2018年の12月にダイニングテーブルと椅子6脚
修理・再塗装・クッション張り替えのご注文をいただきました。
最初にご依頼者より送られてきた資料がこちら。
わかりやすくまとめていただき、修理の判断がし易く助かりました。
現物を一度確認したいため、椅子1脚とテーブルの一部をお送りいただきました。
修理の可・不可を確認した上で残りをお送りいただきリペアの開始。
実際にテーブルを組んで確認。
事前に資料で確認してましたがやはり実物は結構な痛み具合。塗装はしっかりしており、その分剥がすのが大変な状態。
椅子は先に既存のクッションからはずして、塗装を剥がす作業に。
(画像はすでに作業が進んでおり剥がし始めてます。)
剥がす作業が進行しますが、なかなか塗膜が厚くて全てを落とすのが大変。
削っても削っても基調色が残ります。
テーブルの方も塗装剥がしスタート。椅子と同じくこちらも手ごわい。
徐々に綺麗になってきました。
それでも基調の赤色が残ります。
椅子もかなり削り込み、これ以上は椅子が変形しそうなためここでストップ。
最初の状態から比べるとかなり色が落ちました。
テーブルはフラッシュ構造(合板と芯材の組み合わせ)のため、削り込むことは不可能。
そこで突き板(木を薄くスライスしたもの)で張り替えてしまうことに。
ご依頼者が無印の家具をお使いということで、無印がよく使う「オーク材」で張り替えることにしました。
ベッドも無印のオーク材ということで材料は迷いませんでした。
元の状態がわからないオーク材テーブルに大変身。
テーブルの脚もオーク突き板で張り替えたため、新品のような状態。
塗装を剥がした椅子と突き板で張り替えたテーブルをセットしてメールで写真を送る。
さて、ここで問題発生。
椅子の赤で囲った丸部分、試しに塗料を塗ってみると、削ったはずの塗料が中から滲み出てくる。
木の中まで浸透した赤い塗料が、実はまだ木の奥には残っていて
上から塗料をかけると中の塗料が引っ張り出される。(浸透圧ですね。)
再度削って塗料をかけても、同じ現象が。これはもうお手上げ。
ということで当初色を着けないというのが塗装の条件でしたが、着色をしてこの赤い塗料を目立たなくさせる作業に変更。
ご依頼者にも説明しご了解いただきました。
苦肉の策で再塗装した結果が右側。
若干下の赤い塗料が見え隠れしますがそれでもかなり隠せました。
そして突き板で張り替えをしたテーブルも塗装に。こちらは本当に新品の状態に。
脚も取り付けてテーブル完成。上から見える部分は完全にオーク材新品テーブルです。
椅子も塗装が終わりクッションが張り上がりました。
青系のデニム色のようなファブリックはご依頼者へ数種類サンプルを送り決めていただきました。
発色良く張りのあるしっかりとした良い生地です。
6脚揃いました。ファブリックの青い色が目に先に飛び込むため、いい意味で塗装の中にある赤い基調色がめだたなくなりました。
再塗装中に何度も何度もメールで画像確認いただき
そのうちにご依頼者とコミュニケーションが深くなり
私がお会いしてみたい気持ちと、送料が節約できるため自分で配達に伺うことに。
配達後、組み立てして設置した状態。
家の雰囲気とテーブル椅子がとても良く合っています。
ご家族ともいろいろお話しさせていただき
このダイニングテーブルセットは40年前にご依頼者のご両親が購入されたお話しや
元のメーカーからは修理を断られたことなど
ここに至るまでの経緯を聞かせていただきました。
実際にご両親にも座っていただき、また綺麗な状態で使えると
とても喜んでいただけました。
当初予定よりも時間が掛かり、弊社としても大変な再生作業となりましたが
結果お客様に喜んでいただけたことがなにより嬉しかったです。
修理再生にはそれなりのコストが掛かります。
ただ捨てて新しいものに買い換えるだけでなく
思い入れのある家具をもう一度使いたいというご要望あれば、これからも対応していきます。