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4.132019
20年前の自社ドレッサーのリペア・再塗装・クッション張替え(4/22追記)
20年以上前に製作していたドレッサーの修理再生のご依頼です。
当時はインターネットでやっと情報発信を初めたばかりで
(sekimoto.co.jpは1999年ウェブスタート)
今のように直接ご依頼がある時代ではありませんでした。
こちらが送られてきたドレッサー。20年立ちますので傷や経年変化はもちろんありますが
愛情を持って使われているのがよく分かる良い状態です。
普段使う時にできた細かな傷はあり、家具を本来の道具として使われている
いわゆる手沢(使う人の手によって生まれたツヤや使用感)が感じられて
これはこれで味だと思いました。
さていったんすべてのパーツを取り外し、再塗装のスタート。
凹みキズなどはなるべく補修していきます。
引き出しの桐も経年での汚れがあり
こちらも塗装してなるべくわからないようにする方向で。
鏡をよく見ると「くさり」と呼ばれるサビのようなものが出ていたため
こちらの判断で外して新規に作ることにしました。
その分塗装がしやすくなりました。
椅子のクッションも20年使うと中のウレタンがヘタってしまい
こちらも今回張替えをご提案。
白いドレッサーに合いそうなファブリックを選択させていただきました。
すべての塗装が完了し、新品の鏡や
金具類のパーツを取り付けて完成。
真っ白なぱっと見新品のドレッサーに生まれ変わりました。
引き出しの中も真っ白になったので、多少傷はありますが
それでも以前とは見違える状態に。
椅子のファブリックも我ながら良い感じです。
今回、娘さんへプレゼントされるとのことで
またあらためて20年かそれ以上使っていただけるのではと思います。
自社ドレッサーの場合、作りや素材が分かるため
修理の可不可が即答できてよかったです。
もちろん他社さまのドレッサー家具でも修理再生ご相談ください。
※4月22日追記
ご依頼いただいた方から納品先での写真をいただきましたので
掲載させていただきます。(ご了承いただきました。)
リペアさせていただき本当に良かったです。
リペアのお問い合わせの回答。
家具のリペア(修理・再塗装)というのは料金がしっかりと掛かります。
新品から塗装するのはまだ楽なのですが、リペア塗装の場合は
まず、今の塗装をいったん剥がす必要があり、新品を塗装するよりも
時間が三倍はかかってしまうからです。
安い家具が店頭にいくらでもある今の世の中
同じ機能だけで考えたら、新品を買うという選択もあります。
けれども、持ち込まれる家具の再塗装にはそのようなお金に換算できない
なにか特別な思い出、想いがいっぱい詰まっていて
買えるかもしれないけれど、もう一度使いたいという気持ちが一緒についています。
喜んでいただけることが、こちらとしても一番嬉しい仕事になります。
新しく買うという選択がありますが
もし、もう一度使ってあげたい特別な家具ならば
修理・再生・再再生・リペアしてみてはいかがでしょうか。