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12.262020
古い鏡台座鏡の修理再生・リペア再塗装・金具の取替
最近お問い合わせの多い古い鏡台の修理再生。
まずはお客様から現状の画像をお送りいただき、リペアが可能か確認させていただきます。状態がわかる画像をなるべく多くいただくことで事前に再生できるかをお伝えし、概算お見積りをお伝えしてます。
このような状態はよくあることで、十分に補修ができます。ただ、元の色よりも濃い目にすることで目立たなくなるため、塗装色はおまかせいただくご了解をいただきました。
まずは全体を分解し、使える金具、使えない金具は代替品があるのかを調べます。取っ手などは代替品がなかなか見つからないため、なるべく古い物を流用していきます。
全体の色調を濃い目にしながら下のキズや色ムラを目立たなくしていきます。あと、濃い目の色の方が高級感が増すため、リペアなら濃いめに仕上げたほうがよりリニューアル感がでてきます。
全体濃いめですが、引き締まったイメージになり、これまでの座鏡とは見違えるようになっていると思います。
実は今回ほぼ同じタイミングで、別の方からも修理再生のご依頼が。
こちらもまずは全体を分解して、金具などの取替えに新しい丁番などを調べていきます。取っ手は流用の方向で。
デザインがアール・デコ調の少し変わった座鏡。和と洋が混ざった感じが新鮮。せっかくなのでアンティーク感を強調した仕上げをめざしました。
少し和の感じを残しながらも、全体的に洋風な仕上がりにしました。
実は今回の2台の座鏡、分解するうちに作り方の共通点が見えてきました。
デザインは違うのにどこか似ている作りの座鏡。途中から、これは同じ職人さんが作った鏡台ではないか?と感じるようになり、最終鏡を外した時にそれが確定しました。どちらの座鏡の鏡も全くサイズが同じ。面取り方法が違うため取り間違いは無いですが、明らかに同じ時代の同じ職人さんで作られた座鏡でした。
おそらく50〜60年以上の前の鏡台が、しかも同じ職人さんから作られた2台の座鏡が、時代を超えて一つの家具メーカーによって同時期に再生されるなんて、この職人さん考えもしなかったと思います。
修理再生にはなるべくオリジナルを大切にしながら、できる限りの修復をしておりますが、やはり深いキズなどは若干そのあとが残ることもあります。
また修理に掛かる費用と、往復の送料を含めると全体の予算は新品の家具を購入できるものになります。どうしても残したい家具、思い入れの詰まった、思い出の家具など、修理再生しかできない物があれば、ぜひご相談ください。
しかし同じ職人さんの鏡台を同時に再生するなんて、なにがあるかわかりませんね。古い家具の修理、現在もお預かり中です。