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2.22020
修理・再生・リペア・古いエクステンションテーブルの再塗装
去年2019年の秋頃でしたか、ウェブから家具の修理・再生のお問い合わせをいただきました。
クルマで持ち込んでいただける距離の方で、リペア希望のテーブル(エクステンション式)を
会社まで運んでいただき修理内容の確認をしてお預かり。
新たな住まいの完成までお預かりしながらの再塗装です。
全体像がこちら。アンティークな挽物脚の伸縮テーブル。
材料はナラ。どことなく和洋が混合されたデザインと素材感が面白い。
最初は古いEUあたりのアンティーク家具かと思ったのですが
ディテールを見ていると国内で作られた年代物な感じもしてきます。
天板はそれなりに使い込まれた状態。大切にされながら、日常で活躍していたテーブルなのが
この天板の状態から感じ取れます。
縁周りは無垢材を使い、天板中央は突板の作り。細い溝は一つのアクセントになりながら
無垢材と突板の境目を上手に縁を切っています。
黒い部分は長年のいろいろな染み込みが積層になっているもの。
中央の白い部分は常に人が触る部分。使い込まれた色合いは生活をも想像を膨らませます。
まずは表面を削り出す作業。下地を出さないと、上からの塗装はあとあとの塗装剥がれになる。
この削る作業というのがリペアの全工程で50%。
ここが中途半端だと最終仕上がりがキレイにならない。
油分をふくむよごれは溶剤とサンドペーパーとヘラを使って表面を削り落とす。
やっと全体に表面が落ち着いてきて、木肌も見える状態に。
削り過ぎると木目が無くなるので、この工程は慎重に進めます。
最初の塗装、着色の工程。
ここからはむき出しになった木肌に色を入れて、本来の木目の良さを際立たせる
いわばお化粧の工程になります。
削り出したメインの天板も、ステイン着色でナラ材のもつ木目が際立ちます。
着色の工程を繰り返すことで、徐々に天板の木目が本来の照り、節、使い込まれたキズなどが
はっきりと見えるようになってきました。まだまだこれから。
中塗りのウレタン塗装。
ここからの工程は塗膜を作る工程。塗装の肉を全体に付けて、塗装全体の強度をつけていく大切な工程。
メインの天板もウレタン塗装。サンドペーパーで途中研磨を入れながらウレタンを塗り重ね。
徐々に塗膜のツヤ感と肉付きが表面に感じられます。木目を残しながらの大切な作業。
ここで中塗りのウレタン塗装が終了し、研磨作業から最終仕上げのウレタンフラット塗装仕上げ。
もともとのテーブルの状態に近いイメージに仕上げるよう、ツヤ消しの塗装に入ります。
仕上がった状態がこちら。
若干の光沢感は残しながらのツヤ消し仕上げ。下色で着色したブラウン系の色が浮かび上がってきました。
材料の部所によって若干の色の差が現れます。
塗装で無理やり周辺の色に近づけることもできますが
ここはあえて自然な風合いを残してのリペアにしました。
ご依頼者が約半年振りに引き取りにご来社いただきましたが
リペアの仕上がりに満足いただいてお持ち帰りいただきました。
新築やリフォームに合わせて、家具をお預かりしながらの修理再生も
弊社では対応しています。
思い出のある家具、親から引き継いだものなど、それぞれに手放せない
理由のある物を、これからも使い続けるお手伝いをしております。
修理再生家具のリフォーム、ご要望あればご相談ください。