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2.52012
アナログな仕事。
ある職人さんに木工とは単純に(かなり乱暴に)言えば
「切って、削って、貼る(張る)だけ。」
と言われたことがある。
切って、削って、はる。 確かにその通りなんだけど
その切る、削る、はる という単純な言葉の中にこそ
人間がその時の材料に合わせた最良な加工方法を見つけて
季節(温度・湿度などの気温変化)も加味しながら扱わないと
木工は自分の思う通りにならないという事が含まれている。
近代化(言い方が古い?)された設備で、人間が数人いれば
すべて自動化した機械が流れ作業で24時間フル稼働してくれる
製造とは違い、木工機械も優れた最新設備も出てきてはいるが
私達の家具はいまだに材料ひとつひとつから選び出し
一つ一つの工程すべてに人間の手が必要なつくりをしている。
きわめて古臭くアナログな作業。
こっちから材料を入れれば、向こうから同じ品質の家具が
パッケージされて出てくるのではなく、ひとつひとつの材料の
接着(ボンド)にも手作業が必要なほど、部品がそれぞれ形が違う。
切って、削って、はる。
「日本製ですか?」と聞かれることがあるが
「いや、静岡製です。」と答えるくらいローカルな仕事。
ものすごく小さな地域で少人数で作る家具にしか生み出せない
数値や言葉に変換できない「なにか」を感じてもらえたらと思います。