ブログ

牛乳のフタ

松本城の白鳥

佐藤雅彦氏×竹中平蔵氏の本にある「牛乳のフタ」を例にした
物の相対的な価値観についての話は、自分が物を見る時の判断基準に
とても役に立っている。

給食の牛乳がビンで出されていた人でないと
説明も難しくなるのだけど、あの牛乳ビンのフタを集める事に
夢中になった人には、すぐに分かってもらえるお話で始まる。

毎日一枚ずつ、徐々に集まるフタを友達同士で見せ合いながら
ちょっと機転をきかせ、興味の無い女子からもらう事で、飛躍的に数を伸ばし
沢山持つ事に優位性を感じる。

そのうち、牛乳のフタがキン肉マン消しゴム一つに対して
五枚で交換できる価値を持ち始め、スーパーカー消しゴムとは
六枚で交換できる価値が付くと、すでにフタはお金=貨幣の役割を果たしてくる。

こうして徐々に価値観を増す牛乳のフタであるが、あるとき一人の小学生が
となり町の牛乳のフタが流行ってない学校から、大量にもらって持ち込むことによって
それまでのフタ1枚の価値が一気に冷めてしまい
フタはフタでしか無い事に気がつく。 というだいたいのお話。

これは現在のお金がどうして取引の媒体に成り立つのかを
とても簡単に表現した面白い例え話だと思う。

もともとお金(貨幣)が無かった頃はモノとモノを直接交換していたのだろう。
そのうち、絶対的な価値の基準が必要になり、「金」がお金の代わりとなり
その金の代わりとなったのが貨幣である。

たとえば、外国の見慣れない紙幣や硬貨を見ると
最初はおもちゃか数字の書かれた紙に見える。お金としての信頼が見えないから。
しかし、それを使い数日経つとそれが価値のあるものに見えてくる。
流通し物と交換することで安心して使えるものであることが分かり
おもちゃの紙切れが「お金」としての価値存在となる。

ようはそれに「価値がある」という共通の意識の下で、貨幣価値というのは
保証されているのだ。(簡単な話をまわりくどくしてすみません。)

これは、物にも言える事だと思う。

例えば、これは悪しき習慣なんだけど
この小さな家具業界でもコピー商品やあからさまなマネ商品というのが横行する。
ちょっとでも「あそこの商品が売れているらしい」というと
その商品そっくりに作り、そして必ず下をくぐる。(価格を下げる)

そしてその悪の循環に入り込むと、売れている商品をコピーして
そのコピー商品がさらに派生してコピーされ、と永遠のループを描く事になる。

当事者同士はコピーして多少変えているつもりでも
その行動に興味の無い者から見ると、まるでバットを地に着けて
反対側を頭に当てながら、ある一定の同心円をぐるぐると回っているようにしか見えない。

そこから生まれた商品はどうなってしまうのだろう?
作った当人は売れている商品の「良いとこ取り」をしたマーケティング?商品なのだから
しかも安くしたんだから、これはヒットする商品だと価値観をもつかもしれない。

しかし、横にはすでにそっくりな「コピー元」の商品があり、周りから見たら
どっちもどっち。すでにどちらも存在価値が無くなってしまっている。
そしてそれらが大量に出回った時、はっと、自分の作っていた物は牛乳のフタだったと気がつく。

静岡には分業の歴史があり、それぞれが違う技術を持つ事で、協業して一つの物を作る
他産地には無い特色のある家具作りの文化を築いてきた。

せっかくそうした歴史と技術を持っている地域なんだから
一生懸命にみんなで牛乳のフタを作る事にならないよう、作り手のトップは
今後の家具作りについて客観的な目線を持たなければならないと
今年の家具メッセで強く感じました。

関本家具装芸はこれからもオリジナルのアイディアで勝負していきます。

(牛乳のフタはあくまで比喩で、それその物の存在価値が無いと言ってるのではないです。念のため。お間違いないように。)

関連記事

営業カレンダー

2024年5月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

おすすめ商品

  1. LEDアイドル収納1面
  2. LEDディンプル収納1面
  3. LEDリッツ女優ミラー
  4. LEDフルール収納3面
  5. ソフィア LEDミラー(最小サイズ)
  6. LED クリスタル 女優ミラー
  7. LED ルフラン 収納三面
  8. LEDプリマ収納3面
  9. スタジオ女優ミラー (天板シースルータイプ)
  10. じょゆどれスタジオ女優ミラー

最近の記事

カタログ請求はお気軽にこちらから