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7.122015
見る角度を変えると価値がある。
私たちが作る鏡台ドレッサーは
従来の販売ルートを通じてお客様にお渡しするこれまでの商習慣で
木の「節(フシ)」や「曲がった木目」などは不良品の対象とされてきて
販売店には受け入れてもらえなかった。
そういった部分を外して材料を使うと
歩留まり(使える割合)がどんどん下り、ひどい時には半分が使えない材料もある。
その反面、森は小さくなり、木は細くなり、十分に育たないうちに伐採してしまうから品薄になり
値段は上がり、材料は細くなり、捨て材を増やす悪循環を作り出す。
本当にフシや曲がった木目は価値が無いのか?
あえて使わなかった材料を拾い出し、額縁(木のフレーム)を何枚か作ってみた。
「木の生命力を感じる」と、とても好評。そう、力強さがフレームから湧き出てくる。
木も生き物だというのが伝わってくる。僕は個人的にはこの感じが好き。
これは家具に限らず建築もそうで、均一をもとめシートやプリントが主流になって
どこを見ても同じに見えることが良しとされる風潮が強くなってしまった。
でもそんな窮屈に疲れてしまい、最近は不揃いを意図して楽しんでいる家具も家も
増えてきたと思うし、それを受け入れてくれる人も増えてる気がする。
今年のドレッサー、1タイプだけそれに近い表情を取り入れて作ってみた。
いきなり写真のような「フシ」がガッツリと入ったドレッサーはまだ抵抗あるだろうと思い
もう少しソフトに、半歩だけそっと踏み入れるような材料の使い方です。
シートやプリントではない本当の木の良さ、あたたかさ、不揃いの木目の生命感を楽しんでいただけたら。
という気持ちで7月末リリースです。
http://joudre.com/?pid=91087842