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11.302014
針葉樹と広葉樹。 (IFFTご来場お礼。)
11月26縲怩Q8日 東京ビッグサイトで開催されたIFFTでは
多数のお客様とブースでお話しすることが出来ました。
ありがとうございました。
会場を一回りし、他の出展品を見させていただきましたが
今回、もっとも印象に残ったのが
材料の使い方。
いままで以上に針葉樹(wiki参照)を使う
メーカーが増えてきたこと。
広葉樹 = (ナラ・タモ・オールナット等)は硬くて密度が高く(比重が大きい)キズが付きにくい
針葉樹 = (杉・松・ひのき等)は軽くて空気を多く含み(比重が小さい)まっすぐだけどキズが付きやすい
と言う材質の特徴を活かし、広葉樹は家具用に、針葉樹は建築用にという使われ方が一般的でした。
針葉樹は杉やひのきなど日本の山では特に多く、身近な山でも見ることができ
「まっすぐ」のびて軽い性質は、建築の構造材として考えればとても理にかなっています。(軽くて丈夫)
一方、広葉樹のナラやタモなどは曲がったりうねったりと、真っすぐな柱としては不向きな分
硬くてぎっしりと詰まった材質は、細くても強度を出すことができたりと、小さなカトラリーから
もちろん大型の家具を作る場合も昔から使われてきた家具材の王道です。
でも、家具や建築の仕事以外の人と話しをすると、この広葉樹・針葉樹というくくりは
あまり気にしていないようで、この話しをするたびに、業界の人間がとらわれてきた呪縛のような
気がしていました。
今回IFFTで展示した「ひのきのドレッサー」は針葉樹でつくられた鏡台です。
おそらくウチの会社の歴史でも、針葉樹で作ったドレッサーは初めてです。
ナラ・タモに比べたら確かに表面強度は若干劣るかもしれませんが
普段なら無垢材を使えない部分にも惜しみなく無垢材を使い
同じサイズのドレッサーと比べても軽く作ることができるので
ちょっと部屋の掃除で動かしたい時にも気軽に移動ができます。
そしてこれは作り手からの一番の魅力なんですが
地元、静岡天竜地区のひのきを使えること。
いわゆる「地産地消」です。
広葉樹のほとんどは輸入材です。
対して針葉樹の杉・ひのきは身近な山々にたくさんあります。
むしろ山荒れや、杉ひのき花粉の対策、日本の林業の持続性などを考えると
輸入材に頼りっぱなしのものづくりではなく、身近な材料も活かす方法を
考えることが、これからの日本の家具産業の持続性にも繋がります。
他のメーカーも杉・ひのきをそれぞれ独自の技術と加工方法で家具用として使い素晴らしかった。
これまで業界の中で作っていた広葉樹縛りを変えていくことで、新しい価値観の提案をする。
そのトレンドの方向転換が一時的なものでなく、しっかりとした方向性を感じることができた
とてもワクワクした展示会でした。